在留資格は、原則1人1つであり、2以上の在留資格を有することはできません。しかし、各在留資格は活動内容に制限があるものが多いため、日本で活動できる範囲を変更したい場合は「在留資格の変更」手続きを経る必要があります。
例えば、「留学」の在留資格で在留していた留学生が、卒業後に「教育」に該当する職に就くことを希望するような場合には、在留資格の変更を受けることができます。
在留資格の変更を希望する場合、原則、本人が居住地を管轄する地方入国管理局(支局・出張所)に在留資格の変更を申請することになります。
本記事では、在留資格の変更手続きと注意点について解説していきます。
在留資格の変更手続きについて
入管法第20条
在留資格を有する外国人は、その者の有する在留資格の変更(中略)を受けることができる。
在留資格の変更を希望する外国人は、地方入国管理局(支局・出張所)に在留資格の変更を申請することが必要です。法務大臣が「在留資格の変更を適当と認める相当の理由があるとき」に許可されます。
在留期間内であれば、在留資格の変更はいつでも申請することができ、許可後に新しい在留資格・在留期間が記載された「在留カード」が交付されます。
在留資格変更に伴う注意点

「短期滞在」の在留資格で在留している場合は、「法務大臣はやむを得ない特別の事情に基づくものでなければ在留資格変更許可しない」とされています。
入管法第20条
3 前項の申請があつた場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもつて在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。
在留資格変更の許可があれば、新しい在留資格に基づいた活動を行うことができますが、変更許可を受ける前に新しい在留資格に属する活動を始めた場合は、資格外活動として違反を問われることがあります。
在留資格の変更の申請があった場合、法務大臣は、その外国人が提出した文書により「在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由」があるときに限り、これを許可することができる、とされています(入管法第20条3項)。
したがって、変更の申請を行っても、常に希望どおりに許可される訳ではありません。あらかじめ注意が必要です。
在留資格要件に適合しているか

変更する在留資格の要件に適合しているかを十分確認することが在留資格変更許可申請で最も注意すべき点です。
入管法第20条
5.第二項の規定による申請があった場合(三十日以下の在留期間を決定されている者から申請があった場合を除く。)において、その申請の時に当該外国人が有する在留資格に伴う在留期間の満了の日までにその申請に対する処分がなされないときは、当該外国人は、その在留期間の満了後も、当該処分がされる日又は従前の在留期間の満了の日から二月を経過する日のいずれか早い日までの間は、引き続き当該在留資格をもって本邦に在留することができる。
在留資格変更許可申請を行った場合は、判定日又は従前の在留期間の満了の日から2ヵ月を経過する日のいずれか早い日までの間は、日本に在留できます。これを特例期間と言います。特例期間は、元の在留資格の範囲内で活動をすることができます。

不許可の審査結果が出た場合には、出入国在留管理局から出国準備のための「特定活動」ビザへ変更するよう促されます。その間に日本を出国する準備をして出国することになります。
もっとも、出国準備期間中に在留資格変更の要件を満たし、改めて申請することで在留資格変更申請が受理される可能性があります。不許可となった場合には早めに行政書士にご相談され、申請取次行政書士が出入国在留管理局での不許可の理由聞きから関わることをおすすめします。
まとめ
在留資格変更許可申請の際に申請に不備があったり虚偽の申請を行ってしまったりした場合には、取り返しのつかない事態になってしまうこともあります。
在留資格変更許可申請を含め入国管理局への申請でお困りごとがあれば、ぜひ弊所までご連絡ください。


